9月30日に実践女子大学でビジネスリサーチラボさんと進めている女性活躍推進研究会の定例研究会を開催しました。おおよそ2ヶ月に1度開催しています。
今回のテーマは女性活躍推進法を受けて各企業がどのように対応するか、でした。松下自身はメディア論や学習論、コミュニケーション・デザインが専門ということもあり、いつもそういった視点から女性活躍について話題を提供させていただいています。
今回は教育社会学で言われる「加熱・冷却」という視点で女性活躍に関わる企業の施策を見てみよう、という趣旨の報告と対話を行いました。組織を昇格や昇進などを炊きつける「加熱」とそこから漏れた人達に対する「冷却」システムとして見てみようという視点です。(*このあたりは竹内洋(1995)『日本のメリトクラシー』東京大学出版会などに詳しいのでそちらを参照してもらえればと思います。)
それでは女性活躍を推進するためのこれまでの企業の施策、例えば時短勤務や産休・育休は辞めなくてもよい=長く働ける=管理職などになれる、という図式を想定して設計されている一方で、制度に「ぶら下がる」社員が出てくるのも問題視されています。
こうした制度が整っている企業が「働きやすい」「ホワイト」な職場である、と評価を受けますが、インタビュー調査で女性社員に話を聞いてみるともう少し事情は複雑なようです。
曰く、「育休で1年離れると戻ってきても追いつけない」や「出世やマネジメントと違うところに価値を見出した」などさまざまです。
そのため、女性活躍推進のための制度は「加熱」を進めるものだと思って設計しても実際は「冷却」になっていることも企業によってはあるようです。みなさんの組織はいかがでしょうか?このあたりは現在、某企業を対象に調査・研究中のところなので、今後、形にしていきたいと思います。