パリ13大学で日仏のメディア、コミュニケーションに関わる研究者セミナーで”Mediated Work Place and Work Style”と題した報告をしてきました。
ここ数年進めてきた職場や働くということに関してモバイル、ソーシャルメディア、時空間の概念などメディア論的な視点から調査・分析を進めてきましたので、その概要についてお話することが出来ました。基本的にマス、パーソナルも含めて電話やテレビなどメディア・コミュニケーションは離れた時間・場所を「つなげる」ことに機能がありましたが、同時に、それゆえに?それまで対面で会っていた社会的な状況を「切り離す」ことにもなりました。しかし、モバイルメディアとソーシャルメディアが組み合わさったことで、オンラインとオフラインあるいは仕事と家庭など状況を「重ねる」ようになりました。こうしたメディア、コミュニケーションと実際の社会的状況の変容のフィールドとして職場・働き方を取り上げています。これらはいくつかの書籍原稿などで出版されていく予定です。
カウンターパートのフランス人の方は社内におけるProximityとCommunicationについて報告していました。日仏、企業文化の共通点や差異をいろいろと見いだせて充実した時間になりました。経営学の専門ではないのですが、議論をしていて感じるのはやはり生産性・Productivityをどのように捉えるのか、が日仏限らず企業によってかなり違うということでした。そのため、「生産性を上げるために」という施策の前にその前提を共有しておくことが必要かなと思いました。この辺りは教育界隈で言われる「子どものために」「学力が身につく」という目的でICTを導入していく流れと結構似ているなぁと思います。