卒論を挟んで年末からは入学前高校生を対象としたPBL(Project Based Learning)プログラム「waku-gaku」の準備や設計に追われていました…先日、何とか1回目を終えることが出来ました。
「waku-gaku」は昨年からスタートしたもので、昨年は日本HPさまがクライアントでした。昨年の様子はこちら。今年はH.I.S.さまをクライアントに迎え、「10年後に世界が面白いと思えるH.I.S.渋谷店の取り組むを提案せよ」というものでした。
昨年と異なるのは今年は学生が運営スタッフとして参加してくれました。もちろん大まかなデザインやワークの設計などは僕の方で行いますが、進行やアイスブレイク、グループでの細かなファシリテーションは基本的に学生スタッフが担うようにしました。プロジェクト型の演習を受けた1,2年生ですが、やはり自分がやるのと、高校生にやってもらうのとではかなり勝手が違ったと思います。自分が動くのではなく「どう動いてもらうか」、自分が考えるのではなく「考えてもらうためにはどうするか?」を考えるのは難しかったと思いますが、それを考える経験は次に自分がやるときに役になってくれると思います。
こうしたバージョンアップをしたのですが、意識したのは「2割を変えていく」ことです。今回だと全体やワークの設計から何まで全部を学生に任せる=10割は、やはりリスクが高いし、学生にとっても負担が大きすぎます。8割は昨年を踏襲したり、こちらでやって、進行やグループファシリテーションなど学生におまかせするところを2割くらいにしてチャレンジしました。やってみるともちろん課題もあるけど、結構うまくいっていると思いました。じゃあ来年はより良くするために、この部分(=2割)を変える・任せることにしました。この2割はリスクかも知れませんが、チャレンジであり可能性なのでそこは割り切って任せる、やってみる、というのが直感的に、より良くしていくためにちょうどよい塩梅かなと思ったりしています。また2割を変えるとしたら、と考えることで、より課題をフォーカスできたなと思います。
情報機器やアクティブ・ラーニングなどでも導入するとなったら、これまでのやり方と全部入れ替える、というイメージがあるかもしれませんが、それだと準備や負担を考えるとやはりなかなか難しいのでは、と思いますし、抵抗があったり、今いち浸透しないのもそのあたりが理由かも知れません。「全部じゃなくても2割を変えるつもりで、でもその2割は割り切って・思い切って」を繰り返すことで徐々に浸透していくんじゃないかなと。ちなみに参加してくれた高校生は約40名。これはちょうど学部1学年の2割です。waku-gakuをやった学生たちが学年の刺激になり、全体が活性化したらいいなと思います。
0→1の面白さ、全部変えることの魅力ももちろんあるのですが、今日は「やれることをやる」「思い切りやるところをフォーカスする」ことの大事さを考えてみました。